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読みもの 02
心身一如
身体と心はひとつ
古くから東洋では、心と体の根本は同じだと考えられていた。感情と肉体は互いに影響を与え合う関係にあるとされ、そうした考え方を「心身一如」という。
心と体は一体なので、どちらかの働きがよくなると、もう一方の働きもよくなる。外の空気に触れ、ゆっくりと体を動かすうちに、沈んでいた心が少しずつ穏やかさを取り戻した体験はないだろうか。
反対に、どちらかの働きが乱れると、もう一方にも影響が及ぶことがある。よく知られているのが、ストレスと胃の関係。気苦労が続くと胃が重くなることがある。
「心身一如」は心と体を直線的な因果関係ではとらえていない。心が体に与えた影響は体を通して再び心に影響を与える。健康状態は心から体、体から心へと影響を繰り返しながら変化していく。心の問題は心だけでは片付かないし、体の問題は体だけで考えてはいけない。
食生活や生活習慣、生活環境などの選び方も関係している。選んだ生活は再び心や体に影響を与える。いつ、どこで、誰と、どう過ごすかも健康状態に関係しており、日々の選択が心身の状態を少しずつ形づくっていく。
感情の乱れがきっかけで満足できない眠りになることがある。ささいなことが原因で眠れなくなり、寝床に入るたびに不安が浮かぶようになる。眠ろうと努力すると余計に眠れない。
こうした状態のときには、「心身一如」に従って体にも心を配りたい。
まずは、寝床に向かう前に、静かな余白の時間をつくることから始めてみる。寝床に入ったら、呼吸に意識を向け、吐く息を静かに数える。朝、目が覚めたら太陽の光を浴びる。午前中の光は日中の覚醒度を高め、昼夜のメリハリをつける。体内のリズムを同調させ、自律神経のリズムを安定させる。
寝具の状態にも気を配りたい。温め過ぎても、寒過ぎても、深い睡眠は得られない。心を整えるためには、体が安心して眠れる環境も必要である。
毎日続けなくてもよい。完璧な生活を目指す必要もない。できることを、無理なく行う。その小さな営みが、心と体の調和を静かに取り戻していく。


