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読みもの 01

天人合一

万物との調和

古くから東洋には「天地人合一」という思想がある。すべての生命は大自然の産物であるとする考え方だ。

自然界を「大宇宙」と呼び、生命個々の内部に存在する仕組みを「小宇宙」と呼ぶ。

個々の生命は大自然に統括され、自然界と調和を保って生きている。だが、完全に支配されているわけではない。それぞれの生命が独自の世界を持ち、機能を備えている。個々の生命は「大宇宙」に包括されながらも、それを構成する要素として有機的なつながりを保っている。

例えば、桜の花は春に爛漫と咲き誇る。春に開花するのは桜が季節という「大宇宙」の影響を受けているとともに、桜の中の「小宇宙」にも内なる周期が存在し、一方で、春を感じ取る機能を備えているからだ。

生命現象には固有の周期で規則的に変化するものが多い。周期は数秒単位の短いものから約1年に及ぶ長いものまである。この時間的な変動を「生物リズム」と呼ぶ。興味深いのは人間の持つ周期も自然界の環境周期に類似していることだ。

サーカディアンリズムは約1日の周期。睡眠・覚醒などにみられる。サーカセプタンリズムは約1週の周期。血圧に観察されているという。サーカトリギタンリズムは約1カ月の周期。女性ホルモンの分泌に特徴的だ。サーカアニュアルリズムは約1年の周期。睡眠時間は冬に長くなり夏に短くなる傾向がある。

「小宇宙」にはそれを構成する要素があり、各々の要素もまた「大宇宙」とつながりを持っているのだ。

研究によると、人間は昼夜サイクルを無視して自由に生活をすると、睡眠覚醒のリズムと体温やホルモン分泌などのリズムが同調できなくなるという。同調を失うと肉体的、精神的に不調をきたしやすくなるそうだ。

東洋医学では「大宇宙」と「小宇宙」の周期の不一致が不健康を招くとする。「天地人合一」は科学的な見地からも得策といえよう。

SAKURA
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